働く未来デザイン

経理部門が「数字処理係」で終わる組織の問題

経理部門が「数字処理係」で終わる組織の問題

2026年01月20日 17:47

こんにちは。

リサーチラーニングラボ代表の細井友和です。

本日は、【経理部門が「数字処理係」で終わる組織の問題】と題して論じてみたいと思います。


多くの企業で、経理部門は「数字を処理する場所」として認識されています。請求書を入力し、伝票を起票し、月次決算を締める。確かにそれらは経理の重要な役割です。しかし、もし経理部門がその範囲にとどまり続けているとしたら、組織として大きな機会損失を生んでいるかもしれません。本来、経理は単なる記録係ではなく、経営の意思決定を支える“情報のハブ”であるべき存在です。本記事では、経理部門が「数字処理係」で終わる組織に共通する問題点と、その先にあるリスクについて考察します。


1. 経理の役割が“過去志向”に固定されている

数字処理係にとどまる組織の多くは、経理の役割を「過去の事実を正確に記録すること」に限定しています。もちろん、正確性と迅速性は経理の基盤です。しかし、それだけでは経営にとって“バックミラー”の役割しか果たしません。

本来、経理データは未来を考えるための材料です。売上や原価、固定費の推移、資金繰りの見通しなど、すべてが経営判断に直結します。それにもかかわらず、経理が報告するのは「今月はいくらでした」という結果報告だけ。これでは、経営層や現場が次の一手を考えるための示唆を得ることができません。


2. 現場との断絶が生まれる

数字処理係化した経理部門は、現場から“遠い存在”になりがちです。営業や製造、サービス部門から見れば、「経理はルールを押し付けてくる部署」「ミスを指摘してくるだけの存在」といった印象を持たれることも少なくありません。

この断絶が生まれる背景には、経理側が数字の背景を理解しようとしない、あるいは現場側が数字の意味を理解できていないという相互不理解があります。たとえば、なぜこの費用が問題視されるのか、なぜこの売上計上のタイミングが重要なのか。こうした説明がないまま処理だけが進むと、経理は“作業部隊”として孤立していきます。


3. 経営層が経理を“コストセンター”としてしか見ていない

経理部門が数字処理係で終わる組織では、経営層の認識にも問題があります。経理を「利益を生まない部門」「コストがかかるだけの間接部門」と捉えている場合、投資も期待も最低限に抑えられがちです。

その結果、システム投資は後回しになり、業務は属人化し、経理担当者は日々の処理に追われ続けます。改善や分析に時間を割く余裕は生まれず、「処理が遅れないこと」だけが評価基準になってしまいます。この状態では、経理が経営のパートナーとして機能することは難しいでしょう。


4. 人材育成が“作業スキル”で止まっている

数字処理係化のもう一つの特徴は、経理人材の育成が入力スピードや仕訳の正確性といった“作業スキル”に偏っている点です。確かに基礎スキルは重要ですが、それだけでは経理の価値は広がりません。

必要なのは、数字を「読む力」「説明する力」「提案する力」です。なぜこの数字になったのか、どこにリスクが潜んでいるのか、次に何を打つべきか。こうした視点を持つ人材が育たなければ、経理部門はいつまでも裏方にとどまり続けます。


5. 組織全体の意思決定スピードが遅くなる

経理が単なる処理部門である場合、経営判断に必要な情報がタイムリーに提供されません。月次決算が出るまで状況が分からない、資金繰りのリスクに気づくのが遅れる、採算の合わない事業に投資し続けてしまう。こうした事態は、経理が“分析と示唆”の役割を果たしていないことから生まれます。

結果として、組織全体の意思決定スピードは低下し、変化の激しい市場環境に対応できなくなります。経理が持つデータは、組織の血流のようなものです。その流れが滞れば、全身の動きが鈍くなるのは当然です。


6. 「数字処理係」から脱却するために

では、経理部門がこの状態から脱却するためには何が必要なのでしょうか。

第一に、経営層が経理の役割を再定義することです。経理を“記録係”ではなく、“経営の意思決定を支えるパートナー”として位置づける。そのための期待値を明確にし、分析や提案に時間を割ける体制を整える必要があります。

第二に、現場との対話を増やすことです。数字の背景にある業務プロセスや現場の課題を理解し、逆に現場には数字の意味を伝える。双方向のコミュニケーションが生まれることで、経理は“監視役”から“伴走者”へと変わっていきます。

第三に、人材育成の視点を変えることです。作業スキルだけでなく、分析力、説明力、ビジネス理解力を育てる。経理担当者が経営会議で発言できるレベルの視座を持つことが、部門全体の価値を引き上げます。


おわりに

経理部門が「数字処理係」で終わる組織は、一見すると業務が回っているように見えます。しかし、その裏では、経営の質や意思決定のスピード、人材の成長といった重要な要素が静かに損なわれています。

数字は、単なる結果ではなく、未来を描くための言語です。経理部門がその言語を“処理するだけの存在”から、“語り、導く存在”へと進化できるかどうか。それが、これからの組織の競争力を大きく左右するのではないでしょうか。


本日はこの辺で。

次回もご期待下さい。


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